従来までのステアリングポンプ(図1参照)は、鋳物を嵌め込むことで軸の固定を行っていました。しかし同方法では、材料の使用量が多いため、ポンプ全体が重くなり、生産コストだけでなく、今日のガソリン価格等を考えると、燃費向上にも逆効果でした。
そんな懸案事項を解消し、エンドユーザーに満足して頂ける製品を提供するために、自動車部品製造業者は、ロータークリップ社製の止め輪に注目しました。その理由は、パワーステアリングポンプの両端に止め輪を使用してポンプ全体を繋ぎとめることで、組み立て・解体作業を簡易化するだけでなく、部品全体を軽量化し、生産コストを抑え、さらに燃費向上にも力を発揮するからです。
まず、一端に使用している止め輪(下記図参照)は穴用ベベル型止め輪(VHO)と呼ばれ、外端に15°の角度(軸用の場合は、内端)があるのが特徴で、対応する角度を付けた溝を加工することで、ベベル型止め輪が固定部位との間に隙間なく嵌り、しっかりとした固定を可能にし、騒音・振動をシャットアウトします。
もう一端には同心型止め輪(円状鋼線タイプ)を使用し、カバーを固定しております。そのため、単にどちらか(または双方)の止め輪を取り外すだけで、ポンプの組み立て・解体作業を簡単に行うことが可能となっています。
軽量化・高燃費といった現在の市場のニーズにお応し、製造業者の生産コストを極限まで抑えることを可能にする製品、止め輪。
ロータークリップでは、そんな止め輪をフルラインナップで取り揃えております。
(図1:ベベル型止め輪と鋳物を使って固定しているパワーステアリングポンプの比較図)
(図2:パワー-ステアリングポンプ解体時)